子供の養育費をサポートする「育英費用特約」とは?その補償内容と加入の必要性は?



「育英費用特約(人身家族おもいやり特約/人身傷害子ども育英費用特約)」は、子供を養っている人が、自動車事故で死亡、または重度の後遺障害を被ってしまった場合に、子育てを支援するための保険金を支払ってくれる特約です。

AIU保険の「AIUの現代子育て経済考2005」によると、出産から大学卒業までにかかる養育費は、平均で約1,640万円必要になります。一家の大黒柱が死亡してしまったら、この費用をねん出するのは非常に難しいでしょう。そのようなときに、この育英費用特約から、保険金の支払いがあれば、残された人も非常に心強いでしょう。



ここでは、この育英費用特約の補償内容や保険金額、加入の必要性などについて解説します。

なお、人身傷害保険や搭乗者傷害のオプションとして提供されており、任意で加入できるものがほとんどですが、人身傷害加入時に自動付帯になる保険会社も数社あります。また、単独での加入はできず、他の特約とセットで加入する必要がある保険会社もあります。


育英費用特約で補償されるケース

育英費用特約で補償される例としては、以下のようなものが挙げます。

補償されるケース

  • 父親が自動車事故で死亡した
  • 母親が歩行中に車にひかれて後遺障害を負った



なお、被保険者以外の同乗者であっても補償される場合が多いですが、被保険者だけしか補償されない場合もあり、保険会社によってその補償範囲が大きく異なりますので、加入の際には注意が必要です。


育英費用特約の適用条件と補償対象

育英費用特約の適用条件

この育英費用特約で補償されるためには、以下の条件が満たされる必要があります。


  • 自動車事故で親権者である扶養者が死亡、または重度の後遺障害を被った場合
  • 人身傷害保険(保険会社によっては搭乗者傷害)の対象となる事故であること



基本的には車に搭乗中の事故が対象になりますが、人身傷害で「車内+車外(歩行中や自転車搭乗中も補償)」するタイプに加入している場合は、車を運転中以外の事故でも適用されます。


扶養されている子供の条件

この特約の補償の対象となるためには、扶養されている子供が、事故が発生した当時に以下のような状況である必要があります。


  • 未婚(別居も可)
  • 年齢:15歳以下・18歳未満・19歳未満・22歳以下など(保険会社により異なる)
  • (保険会社によっては)在学中のみ



このように、支払の対象となる子供の年齢には大きな差があるため、この特約に加入する場合には、自分の子供の年齢と特約の条件もしっかりチェックする必要があります。

また、特約に加入した当時は条件に該当していたとしても、子供が年齢制限を超えたり、就職したような場合は対象外になるため、特約の解約手続きも必要です。


育英費用特約の保険金額

育英費用特約の保険金の支払い方法には、2つのタイプがあります。

一つは、保険金を一括で支払うタイプで、このタイプの保険会社が多いです。一括定額払いの場合、子供一人当たり500万円というパターンが多いですが、子供の年齢によって保険金額が200万円~650万円の間で変わる保険会社もあります。

もう一つは毎月定額を支払うタイプで、毎月5万円/月の支払い、といった形になっています。

年齢に関係なく一括定額払いを行なうタイプの場合、子供が赤ちゃんでも、中学生でも受け取れる保険金額は同じです。しかし、毎月払いのタイプは、子供が小さければ小さいほど、トータルで受け取れる金額は大きくなりますので、子供がまだ小さい場合には、毎月払いを選ぶというのもアリでしょう。


育英費用特約の加入の必要性

以上のように、育英費用特約は、養ってくれる人が働けなくなった場合に、子育てに必要な費用をサポートしてくれる特約ですが、この特約への加入ははたして必要でしょうか。

同じように、扶養者が死亡するなどで収入がなくなってしまった場合に、一定金額を支払ってくれる保険としては、学資保険や生命保険がありますが、これらの保険と比較してみましょう。


メリット デメリット
育英費用特約 保険料が安い 交通事故の場合のみ補償
学資保険・生命保険 交通事故以外でも補償 保険料は高め



育英費用特約は交通事故にのみ特化しているため、その分保険料も安いです。しかし、交通事故以外では補償されませんし、人身傷害が車内のみ補償のタイプの場合は、歩行中や自転車搭乗中に車に轢かれて死亡したようなケースは補償されません。

このように、育英費用特約は補償される範囲が非常に狭いため、基本的には学資保険や生命保険の補償を充実させたほうが、よりよい補償を受けられる可能性は高いといえます。



また、死亡の場合は、公的年金(国民年金・厚生年金)からも遺族年金を受け取ることもできます。(受給資格期間が25年以上、子供は18歳あたりが限度)

そのため、もし扶養者が学資保険や生命保険に加入しており、その後収入がなくても子供の就学・進学、生活に支障がないだけの保険金を受け取れるのであれば、別途自動車保険で育英費用特約に加入する必要はないでしょう。



しかし、この特約の保険料は年に数百円程度で済むこともありますので、もし受給できる学資保険や生命保険の保険金が、子育てに必要な実際の金額に満たない場合や、念のため補償を手厚くしておきたいという人は、この特約の加入を検討してもいいでしょう。