近年注目が高まっている「自転車傷害特約」とは?補償例や他の保険との比較など



自動車保険の「自転車傷害特約(自転車傷害補償特約/自転車事故補償特約)」は、自転車で走行中に転んでケガをしたり、歩行中に他人の乗っている自転車がぶつかって死傷した場合に、自分側のケガや死亡などの損害を補償してくれる特約です。

自転車は約7割の世帯で保有しており、自転車による事故は、なんと5分に1件の割合で発生しています。また、近年は自転車事故によって発生した賠償金が高額になっていることから、世間の関心も高まっています。

自転車事故を補償する保険は、「自転車保険」として各社から販売されていますが、この自転車特約は金額が安く、補償される対象者も広いのが特徴です。

ここでは、自転車特約で補償される例や補償範囲、自転車事故を補償する他の保険との比較などについて解説します。


自転車事故による高額賠償例

自転車は自動車ほどスピードが出ないため、事故を起こしてもそれほど大きな被害は出ないと考えられがちですが、実際は自転車による事故であっても、自動車事故に負けず劣らず、高額な損害賠償が発生しています。


賠償額 被害者の年齢性別 様態
9,521万円 62歳女性 意識不明
9,266万円 24歳男性 後遺障害
6,779万円 38歳女性 死亡
5,438万円 55歳女性 死亡

※出典:日本損害保険協会発行「知っていますか?自転車の事故



この自転車傷害特約は、相手に対する補償を行うものではありませんが、自分にもこのように大きな被害が発生する可能性があることがわかります。


自転車傷害特約で補償されるケース・されないケース

自転車傷害特約で補償される例、されない例としては、以下のようなものが挙げます。

補償されるケース

  • 自転車に乗っていて転倒し、ケガをして入院した
  • 歩行中に、他人の自転車とぶつかって頭を打ち、死亡した

補償されないケース

  • ブレーキが装備されていないなど、不備がある自転車の場合
  • 二人乗りなど、正規の乗車装置以外に搭乗している場合
  • 競技や曲技等で自転車に搭乗している場合



この特約は、基本的に自分や家族のケガなどを補償するものであるため、(自分が自転車を運転中に他人にケガをさせた場合などの)相手に対する補償は行えません。

ただ、中には例外的に、相手に対する補償も行ってくれるSBI損保のような会社もあります。(逆に、SBI損保の特約では、自分が歩行中に自転車に轢かれた場合のケガなどは補償されません)


自転車傷害特約の保険金額

自転車傷害特約で補償される金額は、保険会社によって大きく異なりますが、おおむね以下のような形になっています。


保険金額
死亡 300万円~500万円/人
後遺障害 20万円~500万円/人
(後遺障害の程度により変わる)
入院 5日未満:1万円~10万円
5日以上:10・30・50・100万円 または 5,000円/日(180日限度)



以上のように、この特約で補償されるのは、「死亡・後遺障害・入院」の場合のみで、ケガをして通院した場合については補償されません。


自転車傷害特約の補償対象者

この特約は、ファミリーバイク特約と同様に、補償される対象者の範囲が広いことが大きなメリットの一つで、以下の人が補償対象になります。


  • 記名被保険者
  • 配偶者
  • 同居の家族
  • 別居の未婚の子



そのため、この特約は家族の中で1つ契約しておけば十分と言えます。


自転車事故を補償するその他の保険や特約

自転車を運転していて発生する事故の損害と、それに対する補償を行う各種保険の内容を、この自転車傷害特約と比較してみましょう。

自転車傷害特約 自転車保険 人身傷害保険
(車外補償タイプ)
個人賠償責任特約
(自動車保険/火災保険)
傷害/医療/生命保険
概要 自転車事故で自分や家族が負った損害を補償 自転車事故に関する損害全体を補償 自動車事故を含めた、自分や家族が負った損害を補償 日常生活における相手の損害を補償 自分や家族の死傷などを補償
相手に対する補償 ×(※1) ×
自分に対する補償 ×

※SBI損保のみ補償有



自転車事故による被害は、この自転車傷害特約以外にも、以上のような保険で補償することもできます。ただ、その補償範囲はそれぞれ異なります。

なお、人身傷害保険(自動車保険)は、車に搭乗中の事故のみを補償するタイプと、車外での事故も補償するタイプがありますが、ここで取り上げているのは車外での事故も補償するタイプを指します。(ただ、車外事故を補償するタイプでも、相手が車の場合のみ補償するケースあり)

また、上でも触れましたが、SBI損保の「自転車事故補償特約」は例外で、自転車事故による相手の損害も補償してくれます。そのため、SBI損保の場合は、自転車傷害特約というより「自転車保険」に近いイメージと言えるでしょう。