「入院時諸費用特約」とは?補償例や補償内容、注意点と加入の必要性は?



「入院時諸費用特約(人身傷害入院時諸費用特約)」は、自動車事故により、死亡したり、3日以上入院した場合に、入院に伴い発生する諸費用を補償してくれる特約です。



自動車事故によって、自分や家族が入院するような大ケガをした場合、その治療費や入院費自体は人身傷害保険や自損事故傷害保険などから支払われます。

しかし、いざ入院するとなった場合、家族が見舞いに来るための交通費が必要になりますし、子供を持っていたりペットを飼っていて、他に面倒を見てくれる人がいなければ、預けるための費用も必要になります。



また、病室はそれぞれカーテンで仕切られているとはいえ、プライベートを保つのは難しいですし、他人と一緒では寝られないという人もいるかもしれません。しかし、個室となると、結構な費用がかかります。

そういった場合にも、個室との差額ベッド費用を補償してくれるのも、この入院時諸費用特約です。



ここでは、その「入院時諸費用特約」で補償されるケースや補償内容、注意点や必要性などについて解説していきます。


入院時諸費用特約で補償されるケース

入院時諸費用特約で補償されるのは、以下に該当する場合です。

  • 自動車事故で死亡、または入院した場合
  • 最低入院日数(3日以上など)や補償期間(30日以内、180日以内など)に関しては、人身傷害の補償内容に準じる

なお、この入院時諸費用特約は、人身傷害保険のオプション(任意加入な特約)としての位置づけのため、人身傷害に加入した場合に契約できる特約です。


入院時諸費用特約の補償内容

入院時諸費用特約で補償される内容は、保険会社によってバラバラですが、ここでは主な補償内容について、その概要を説明します。

家族の見舞い費用

入院することになった場合、家族が病院に見舞いに来る際の交通費や、宿泊費などを補償してくれます。

入院する病院は必ずしも自宅の近くとは限りません。病院の場所が遠ければ、かなりの費用負担が発生しますが、この特約はその負担を大きく軽減してくれます。

交通費は1往復に対していくら、宿泊費は1泊につきいくら、といった形で支給されます。

差額ベッド費用

入院する人が、普通病室(複数人が同じ部屋に同居)から個室(特別療養環境室)に移った場合に、その差額費用の実費を支払ってくれます。

1日当たりの金額と日数に関して、それぞれ上限が設定されています。(1日1万円、事故の発生日から60日間までなど)

ホームヘルパー・介護ヘルパー費用

主婦など、普段家事や介護をしている人が入院した場合、または家族の入院に付き添うために家事や介護ができない場合に、家事や介護を代行してくれるホームヘルパーや介護ヘルパーを雇うための費用を支払ってくれます。

1日当たりの金額と日数に関して、それぞれ上限が設定されています。

入院のサポート費用

(家族ではなく)入院している人自身が、病院内外で買い物や洗濯などの世話をしてくれるヘルパーを雇うための費用を補償してくれます。世話をしてくれる家族が近くに住んでいない人、家族も働いていてケガ人の世話ができないようなケースに役に立ちます。

1日当たり3時間程度のヘルプまで、といった形での限度が設定されています。

ベビーシッター・ペットシッター費用

子供の身の回りの世話をしてくれるベビーシッターを雇ったり、子供を預けるための保育施設を利用するための費用を負担してくれます。

また、ペットを飼っていて、ペットシッターを雇ったり、ペットを預け入れるための施設を利用するための費用を負担してくれます。なお、ペットの種類は、犬か猫に限定されています。

退院時諸費用・退院お祝いパーティー代金

退院後の快気祝やお見舞に来てくれた人に対する御礼品を購入する代金、また退院をお祝いするためのパーティー費用を補償してくれます。



その他に、入院中は暇になってしまうため、ベッドで使えるパソコンやDVDのレンタル代金を補助してくれたり、発生した事故の目撃情報を収集するための費用などを補償してくれるような保険会社もあります。

なお、東京海上日動のように、入院時諸費用特約は設定されておらず、「臨時費用特約」の人身傷害臨時費用保険金で、差額ベッド代を支給してくれる会社もあります。


入院時諸費用特約の注意点

入院時諸費用特約で補償される内容や条件は、保険会社によって大きく異なります。

支払限度額が、一日当たり1万円のところもあれば、2万円のところもありますし、日数の上限も30日までのところもあれば、180日まで補償してくれるところもあります。



また、同日に複数の種類のサービスを利用した場合は、それぞれを1日として換算するといった形の保険もあります。つまり、1日に、差額ベッド代+ホームヘルパー+ベビーシッター費用を使うと、延べ3日分使用したことになるという形です。

そのため、このような内容の場合、180日間の補償があるといっても、実際にはもっと少ない日数が限度になってしまいます。



さらに注意したいのは、家族で複数の車を持っているケースです。この特約の場合、事故を起こした車自体に特約が付いていないと、補償されないことがあります。

人身傷害の車外補償などでは、複数台のうち1台のみ契約していれば、家族全員が補償されることが多いですが、この特約の場合は、特約を契約していない車での事故に対しては、補償をしてくれない会社がありますので、事前にしっかり補償内を確認する必要があります。


入院時諸費用特約の必要性

入院時諸費用特約は、入院費用そのものではなく、入院に付随する費用を負担してくれるものです。

そのため、入院しても個室ではなくてもいい人や、親が子供を預かってくれたり、家事を手伝ってくれるようなケースには必要がありません。

余計なお金を払わなくて済むように、家族の状況を見て、この入院時諸費用特約が本当に必要かどうかしっかり考えて加入しましょう。