「レンタカー費用特約(代車費用特約)」は、事故や故障が原因、車の修理が必要になった際、車の修理をしている期間に借りたレンタカー代金を補償してくれる特約です。
車を修理に出した場合、修理工場で代車を貸してくれることがありますが、工場に代車の在庫がなければ貸してもらうことができないこともあります。それは保険会社提携の修理工場であっても状況は同じで、保険会社が代わりに代車を貸してくれることもありません。
仮に代車を借りられたとしても、自分が普段使用している車と同じグレードの車とは限りません。いつも8人乗りの車に乗っているのに、代車は軽自動車、ということも発生します。
そういった場合に、代車を借りるのではなく、レンタカーの費用を負担してくれるのが、このレンタカー費用特約です。
この特約は、車両保険の特約として提供されているため、車両保険の加入が必要で、保険料が年間5,000円~10,000円プラスになります。
レンタカー費用特約で補償されるケース・されないケース
レンタカー費用特約で補償される例、されない例としては、以下のようなものが挙げます。
補償されるケース
- 事故で車が走行不能になったが、通勤で車が必要
- 車が故障して走行不能、修理が必要になった
- 車が盗難にあったが、子供の送り迎えで車が必要
補償されないケース
- 相手が特定できない事故や当て逃げ
- 単独事故での修理
- 地震、噴火、津波によって生じた損害など
上に挙げたように、この特約が適用されるのは、「事故・故障・盗難」が原因となるケースですが、ほとんどの保険会社では、事故によって車が走行不能になった場合にのみ、このレンタカー費用特約も利用できます。
中には損保ジャパンや東京海上のように、故障した場合にもこの特約を適用してくれる保険会社も一部にありますが、それもあくまで故障によって走行不能な状態になったケースで、レッカー搬送もその条件とされています。
また、この特約で盗難の際にも補償してくれる保険会社もありますが、別途「盗難台車費用特約」という形で、盗難の場合にのみ適用される特約を提供している会社が多いです。
レンタカー費用特約の補償内容
レンタカー費用特約での補償内容は、以下のような形になっています。
補償額 | 5,000円~10,000円/日 |
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補償期間 | 30日間(レンタカーを借りた日から) |
保険料 | 5000円~10,000円/年 |
補償額については、特約加入時に任意の額を選択できます。(5,000円、7,000円、10,000円から選ぶなどの形)
また、支払われる保険金は、基本的に実費(レンタカーを借りた実際の費用のみ)としているところがほとんどですが、中には設定した補償額をそのまま支払ってくれる保険会社もあります。(実費の場合は、保険会社が直接レンタカー会社に払うことが多い)
レンタカー費用特約を使用した場合の等級ダウン
レンタカー費用特約は車両保険に関する特約という形で提供されていますが、この特約を使うと、等級ダウンはあるのでしょうか。
車両保険を使わないとこの特約を利用できないケースが多いため、通常の車両保険適用時と同様に3等級、または1等級ダウンになります。
ただ、レンタカー費用特約だけを単独で使用できる会社もあり、その場合はノーカウント事故と判断して、等級ダウンは行われません。
レンタカー費用特約とロードサービスの違い
自動車保険のロードサービスでも、レンタカー費用を補償してくれる場合があります。
ただ、ロードサービスで借りられるレンタカーは、事故現場から自宅や旅行先までの移動手段として、一時的に借りられるものです。1日限定とされていることが多く、レンタカー費用特約のように、2日以上常用する形で借りることはできません。
そのため、仕事や子供の送り迎えなどを目的としてレンタカーを借りる場合には、やはりレンタカー費用特約が必要になります。
レンタカー費用特約は必要?
以上の適用範囲などから、レンタカー費用特約に加入する際のチェックポイントと、加入したほうがいいと思われる人、必要ない人を挙げてみます。
チェックポイント
- 車が使用できない状態が1日でもあると困るか
- ロードサービスで補償される範囲では不足か
- 懇意にしている修理業者やディーラーがあり、代車を貸してもらえる可能性があるか
- 代車には同じグレードの車が必要か
- 親戚などから一時的に車を借りることが可能か
- 保険料が補償内容に見合っているか
加入したほうが人
- 事故時にどうしても車が必要な人(通勤・子供の送り迎えなど)
- 同じグレードの車を借りたい人
加入しなくてもいい人
- 車に乗らなくても何とかなる人
- 代替手段がある人(他に車がある場合など)
- 代車を借りられる人
- 保険料を安くすることを優先したい人
レンタカー費用特約は、すべての人に必要な保険ではありません。加入すると保険料が5,000円~10,000円ほどアップしますので、必要性をしっかり考えて、不要であれば加入を控え、保険料を節約しましょう。