自動車保険の「傷害特約(傷害保険特約)」ではどこまで補償される?



自動車保険の「傷害特約(傷害保険特約)」は、自動車による事故を除く、日常生活における、自分や家族のケガなどの損害を補償してくれる特約です。

日常生活で発生した事故については、損害保険の各社から、一般的な傷害保険が提供されています。内容的には、それと同等のものですが、自動車保険の特約として提供することで、自動車事故から日々の生活による損害までをトータルで補償することができます。

また、一般の傷害保険に単独で加入するのと比べると、自動車保険の傷害特約の保険料は安くなります。これは一般の傷害保険が、自動車事故によるケガなども補償しているのに対し、この特約では車の事故に対する補償を除いているためです。もちろん、自動車事故については、同じ自動車保険の各保険や特約によって補償されます。

なお、この特約を提供している会社は、チューリッヒや三井ダイレクトなどの、ごく一部に限られています。

傷害特約は、自動車保険の特約として提供されているため、特約単独での加入はできません。また、この特約のみを使用しても、等級ダウンはありません。


傷害特約で補償されるケース

この傷害特約で補償される例を挙げてみます。

自宅内

  • 階段を踏み外してケガをした
  • 風呂で滑ってケガをした
  • 料理中にガスコンロで火傷した

自宅外

  • 子供が運動会でケガをした
  • 自転車に乗っていて転んでケガをした
  • スキーで転倒して骨を折った



自宅外で発生した被害を補償するかどうかは、各保険会社の補償内容によって変わります。

また、車に関する事故については、自動車保険の人身傷害保険や搭乗者傷害保険などで補償しますので、この傷害特約の対象からは外れます。

なお、関連する特約として、ソニー損保の「おりても特約(おりても傷害特約)」があります。

これは車外での事故を補償するものですが、あくまで「車で出かけた先でケガをした場合」などに補償される特約です。自宅からそのまま散歩に出かけ、転んでケガをしたような場合は対象外のため、やや特殊な特約と言えるでしょう。


傷害特約の補償タイプ

傷害特約の補償範囲は保険会社によって大きく異なり、以下のようにそれぞれ違ったタイプのものが提供されています。

タイプ
地域 ・国内のみ補償タイプ
・国内+海外補償タイプ
場所 ・自宅内+自宅外補償タイプ
・自宅外のみ補償タイプ
補償の対象 ・契約者本人のみ補償タイプ
・夫婦補償タイプ
・夫婦+家族補償タイプ
補償範囲 ・ケガ・入院のみ補償タイプ
・ケガ・死亡・後遺障害まで補償タイプ



国内のみ・自宅内のみの補償タイプが主ですが、国外や自宅外のトラブルも補償してくれる会社もあります。

また、補償範囲に関しても、ケガや入院のみ補償されるものと、死亡・後遺障害の場合にも補償されるものなど、幅があります。


搭乗者傷害・個人賠償責任特約との違い

搭乗者傷害保険と傷害特約は、ともに自分や家族のケガなどを補償するものですが、搭乗者傷害は車の事故による損害、傷害特約は日常生活における事故における損害を補償します。

一方、個人賠償特約と傷害特約は、車以外の、日常生活における事故を補償する点は同じですが、個人賠償特約は被害を与えた相手に対する補償、傷害特約は自分や家族など、自分側に対する補償を行う点が異なります。

傷害特約 搭乗者傷害保険 個人賠償特約
補償内容 日常生活におけるケガなど 車の事故におけるケガなど 日常生活におけるケガなど
補償対象者 自分や家族 自分や家族 損害を与えた相手

補償の重複に注意

自動車保険の傷害特約以外で、日常生活における事故を補償しているものには、以下のような保険があります。


  • 傷害保険
  • 生命保険の傷害特約
  • クレジットカードの傷害保険



車を運転しない人でも、こういった保険に加入している人は多くいるでしょう。もしかすると、すでにこういった保険で、日常生活の事故に対する補償は十分かもしれません。

一方、自動車保険関連で「自分側・自動車事故以外」のトラブルを補償する特約としては、傷害特約以外に以下のようなものがあります。


  • 人身傷害保険の車外補償
  • 自転車特約



子供がいる人であれば、日常生活における事故はよく発生しますので、傷害特約に加入する意味は大きいですが、子供がいない人であれば、上にあげた特約で十分補償されるケースもあるでしょう。

そのため、自動車保険の傷害特約に加入する前には、こういった他の保険や特約の内容もしっかりチェックして、ムダなお金を払わないようにしましょう。