自動車保険の「ロードサービス」とは?JAFとの違いや等級への影響はある?



自動車保険には、車が故障や事故を起こした際に、そのトラブル対応を無料で行ってくれる「ロードサービス(ロードアシスタンス)」が付帯しています。

たとえば、バッテリーが上がってしまった、カギを付けたままロックしてしまった、事故で車が動かなくなったため搬送が必要、といった場合に、その対応を無料で行ってくれるものです。

ロードサービスというと、まず思い浮かぶのがJAF(日本自動車連盟)のサービスだと思いますが、自動車保険のロードサービスは、無料にもかかわらず、JAFのサービスと比べても遜色がなく、内容によっては自動車保険のほうが充実していることもあります。

ここでは、自動車保険に付帯するロードサービスについて、そのサービス内容やJAFとの相違点、使用した際の等級や保険料への影響などについて説明します。


自動車保険のロードサービスの内容

自動車保険で利用できるロードサービスには、主に以下のようなサービスが含まれています。


  • 故障・トラブル対応
  • レッカーサービス
  • 宿泊費・移動交通費サポート
  • その他のサービス



それぞれの内容を細かく見ていきましょう。

故障・トラブル対応

車に関する様々なトラブルをサポートしてくれるサービスで、主に以下のような内容に関してサポートを行ってくれます。


  • バッテリー上がり
  • タイヤのパンク(スペアタイヤ交換)
  • キー閉じ込み
  • ガス欠
  • 各種バルブ取り換え
  • 冷却水補充
  • オイル漏れ点検・補充
  • 落輪時の引き上げ
  • サイドブレーキの固着解除



JAFの情報によると、出動回数の多いトラブルの順に、「バッテリー上がり(約30%)」「タイヤのパンク(約20%)」「キー閉じ込み(約10%)」の3つで、これで半数以上を占めます。(JAF:「データで見るロードサービス」

自動車保険のロードサービスの場合、対応の範囲は保険会社によって異なりますが、バッテリー上がり~オイル漏れ補充までは、ほぼすべての会社で対応可能です。

ただ、保険会社によっては、30分以内の作業までは無料など、無料となる範囲にある程度制限がある会社も多いです。


レッカーサービス

事故によって修理が必要になった場合に、車を修理工場までレッカーしてくれるサービスです。修理後に工場から自宅まで車を搬送してくれるサービスや、修理工場まで引き取りに行く際の交通費を負担してくれる会社もあります。

保険会社の指定工場まで搬送する場合と、契約者が好きな修理工場を選ぶ場合で、無料になる搬送距離が変わります。

おおむね、指定修理工場までは無料となっていることが多く、任意の修理工場の場合は、保険会社によって15km~100kmと幅が広いほか、10万円~15万円など料金で上限が決められている会社もあります。(JAFは15kmまでが無料)

また、車を修理後に、自宅まで搬送してくれる費用や引き取りのための交通費に関しても、支払いの上限額が決められている会社から無制限の会社までそれぞれ異なり、搬送費用は負担してくれないこともあります。

そのため、長距離運転をする機会が多い人や、いきつけの修理工場がある人の場合は、このレッカーサービスの条件をしっかり確認する必要があります。


宿泊費・移動交通費サポート

外出先で、車が事故や故障によって、自力走行が不能になった場合、交通費や一時的な宿泊費用をサポートしてくれるサービスです。

こちらも会社によって、補償の範囲は大きく異なり、事故の場合のみ補償してくれる会社(故障はNG)、交通費は公共交通機関なら無制限な会社(タクシーの場合上限あり)、交通費をレンタカー費用に変更できる会社など、様々です。

また、目的地や自宅まで移動が困難な状況の場合、宿泊費まで補償してくれる会社がある一方、宿泊費の補助がない会社もあります。

なお、家族全員分を補償してくれる会社がほとんどですが、中にはペットの宿泊費なども補償してくれる会社もありますので、ペットを連れてドライブに出かけることが多い人は、そういった要素も考慮したいところです。


その他のサービス

ロードサービスを利用する際に、各種のアシストをしてくれるサービスです。

オペレーションサービス

事故時のサポートはどこの会社でも行ってくれますが、それ以外にも、「契約者に代わって、家族や勤務先に連絡してくれる」といった範囲までサポートを行ってくれる会社もあります。

GPS位置情報サービス・アプリ

事故が起こった際に、対象方法を指示してくれたり、スマホのGPS機能を使用して、事故現場の位置を特定したり、ロードサービスの出動状況などをチェックしたりできるアプリなどが提供されています。


  • 事故直後に行うべき行動をアドバイス
  • 事故用メモ(写真・音声保存)
  • ロードサービスの簡単呼び出し
  • GPSで位置情報をロードサービスに知らせる
  • ロードサービスの手配状況などを確認



また、事故発生時に社内に設置したボタンを押すだけで、電話サポートへ電話をかけてくれるアプリと連動したサービスなどを提供している会社もあります。


保険会社によって大きく異なるポイント

保険会社によって、補償される範囲や無料の範囲が異なることについては触れましたが、主に以下のような点が異なります。


  • レッカーサービスの移動距離(15km~無制限)
  • 作業時間の上限(30分以内~無制限)
  • 消耗品・部品等の費用負担(ガソリン・バルブなど)
  • 宿泊費(1万円~2万円/人)
  • 移動交通費(上限額・レンタカーへの変更可否など)
  • 自宅までの搬送費用の負担有無



この中でも、レッカーの移動距離や自宅までの搬送有無は、特に大きく差が出ます。また、家族とのドライブ時には、宿泊費や移動交通費も、家族の分だけ出費が必要になりますので、意外に大きな負担になる可能性もあります。


ロードサービス利用時の等級・保険料への影響は?

車両保険などから保険金を受け取ると、自動車保険の次年度の等級が上がり、保険料も上がることが多いですが、ロードサービスを使用した場合はどうなるのでしょうか?

事故が原因で、レッカーをしてもらったような場合、対人・対物賠償、車両保険などを使用した場合は、当然翌年の等級は下がります。

しかし、バッテリーが上がってジャンピングをしてもらうなど、故障・トラブル対応のみを行ってもらった場合は、等級は下がらず、保険料も変わりませんので、遠慮せずに積極的に活用したほうがいいでしょう。


JAFと自動車保険のロードサービスの違い

ロードサービスといえばJAFが有名ですが、自動車保険のロードサービスとどう違うのか、比較してみましょう。

JAF 自動車保険の
ロードサービス
補償対象 JAF会員が対象
(契約車以外もOK・同乗していればOK)
契約車両のみ
(他人が運転してもOK)
基本料金 年会費4,000円
入会金1,500円
無料
(オプションの場合2,000円程度)
補償範囲 故障・トラブル対応、レッカーサービス(15kmまで無料)のみ 宿泊費・移動交通費までサポートあり
レッカーサービスの無料範囲が大きい
無料回数 無制限 契約期間内1回~



JAFのメリットは、会員であれば契約車以外に乗っていても(同乗しているだけでも)補償されることと、利用回数が無制限の点です。一方、自動車保険のロードサービスの場合は、料金が安いことと、宿泊費などの補助があること、レッカーの無料距離が長いことがメリットと言えます。

以上から、他人の車やレンタカーを借りる機会が多い人や、自分以外は契約車を運転しない人、車が古く故障しやすい人などは、JAFに加入するメリットは大きいと考えられます。

なお、自動車保険のロードサービスでも、JAF会員の場合は、トラブル対処時にかかった部品代などを無料にしてくれたり、ガス欠時の給油サービスの無料回数が増えるなどの特典を設けている保険会社もあります。


自動車保険のロードサービスは不要?

自動車保険のロードサービスは、無料でありながら、かなり広い範囲で補償を行ってくれます。

そのため、JAFに入会している場合は、ロードサービスは不要と考える人もいるでしょう。実際に、JAFと保険会社のロードサービスのサービス内容は重複しています。

多くの保険会社では、ロードサービスは無料で、自動付帯になっていますが、JAFの契約と重複しないよう、ロードサービスに契約せず、保険料を節約できるシステムになっているセゾン自動車火災の「おとなの自動車保険」もあります。

また、JAF以外でも、主にガソリンスタンド系列のクレジットカードなどでロードサービスが付帯していることもありますので、クレジットカードのサービスで十分と考える場合は、こういった任意でロードサービスを外せる保険会社を選ぶことで、保険料を節約することもできます。

なお、各会社によってロードサービスで補償される範囲は大きく異なりますので、普段の行動範囲や車を使用する頻度などを考えて、自分にとって十分な補償範囲になるよう、自動車保険やロードサービスを選ぶようにしましょう。