自動車保険(任意保険)とは?補償される損害とケースについて解説



自動車保険に限らず、日本では非常に多くの人が保険に加入していますが、保険はその複雑さから内容をきちんと把握している人が少ないのも事実です。

特に自動車保険は、その制度そのものが他の保険より複雑であるばかりか、保険会社によって補償される範囲や特約の内容にも大きな違いがありますので、理解するのがとても難しいです。

しかし、代理店や保険会社に任せっきりにしておくと、保険料を安くするのも難しいですし、何よりいざトラブルが発生した際に、その補償をきちんと活用できないことにもつながります。

そこで、ここでは自動車保険とは一体何を補償するのものなのか、その基礎の基礎から知るための情報をまとめてみました。


自動車保険とは?何を補償してくれるもの?

自動車保険を一言で説明すると、「自動車事故が発生した際に、その損害を補償してくれる保険」と言うことができます。

自動車事故が発生すると、その事故の大小に関わらず、必ず損害が発生します。そして、もし保険に加入していなければ、その損害をすべて自分自身で負担しなければなりません。

特に自動車事故の場合、事故の規模が大きくなりがちで、最悪のケースでは「億」に達するほどの大きな損害が発生するケースもあります。しかし、億単位のお金を個人で負担することは非常に困難です。

そのような損害の発生に備えて、あらかじめ決められた保険料を支払うことにより、万一の損害に対する補償を保険会社が負担してくれるのが、自動車保険というわけです。


自動車保険で補償されるケース

では、実際に自動車保険では、どのようなケースに対して補償をしてくれるのでしょうか?

自動車保険で補償される内容は、主に以下の4つに分けることができます。

  • 他人(人)に対する損害
  • 他人(物・車)に対する損害
  • 自分・家族・同乗者(人)に対する損害
  • 自分(物・車)に対する損害

以下に、それぞれの損害の具体例を挙げてみます。

他人(人)に対する損害

  • 車同士の衝突で相手がケガをした<人>
  • 自転車に乗っている人を車で轢いて死亡させた<人>

他人(物・車)に対する損害

  • 車がスリップしてガードレールを破損した<物>
  • 踏切でエンストしてしまい電車に衝突した<物>
  • 信号待ちの車に衝突して相手の車を破損させた<車>

自分・家族・同乗者(人)に対する損害

  • 運転中の事故で同乗者がケガをした<人>
  • 家族が歩行中に車に牽かれてケガをした<人>

自分(物・車)に対する損害

  • 事故で車に積んでいたスノーボードが壊れた(物)
  • 事故で車が破損した(車)
  • 車が盗まれた(車)
  • 洪水で車が流されて使えなくなった(車)

上は自動車保険で補償される損害の例で、実際にどこまで補償されるかは、加入している保険会社や契約の内容によって異なります。


実際の損害は自分と相手の両方の保険で補償される

自動車事故で発生する損害を、「加害者」「被害者」という観点から分類すると、以下のようなパターンに分けることもできます。

  • 自分が加害者で起きた損害
  • 自分が被害者で起きた損害
  • 被害者が自分だけの損害(自損・災害など)



相手がある事故の場合、どちらが加害者か被害者かによって、どの保険会社が保険金を支払ってくれるかが変わってきます。(自分と相手、どちらも任意保険に加入していることが前提)

以下の表は、上記のケースで自分と相手、どちらが加入している保険が補償をしてくれるのかで分類したものです。

自分が加害者 自分が被害者 自損 災害
相手(人)の損害
相手(物・車)の損害
自分・家族・同乗者
(人)の損害
自分(車・物)の損害

※○:主に自分の保険会社が補償、●:特約があれば自分の保険会社が補償、△:主に相手の保険会社が補償



もちろん、現実の事故では自分だけが悪い、または相手だけが悪いというケースは多くなく、車同士の場合は完全に停止していない限り何らかの過失は生じますし、自転車や歩行者側でも過失アリとみなされるケースもあります。そして、過去の判例に基づいた過失割合に応じて、自分の保険、相手の保険の双方からお互いに支払がなされるという形になります。

例えば、自分が加害者であっても、相手にも2割の過失があると判断された場合、相手の車に100万円の損害が発生したとしても、自分の保険会社から支払われるのは80万円までで、残りの20万円は相手の保険会社から支払われるか、相手が自分自身で負担することになります。


補償は2つの自動車保険で賄われる

一口に「自動車保険」といっても、実際には2種類あり、発生した損害は以下の2つの自動車保険で補償をする形になっています。

  • 自賠責保険(強制保険)
  • 任意保険

この2つの自動車保険のうちの一つは、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」で、別名「強制保険」とも呼ばれています。自賠責保険は、相手の「死亡やケガのみ」に対する補償で、補償金額も傷害で120万円、死亡3,000万円、後遺障害でも4,000万円までと限定されています。

もう1つは任意で加入が可能な自動車保険で、こちらは「任意保険」と呼ばれていますが、一般的に自動車保険という場合は、この任意保険を指しています。任意保険は相手だけではなく、自分や家族、また物や車など、自動車事故に関するあらゆる損害に対する補償を網羅しています。

以上のように、自動車事故の損害は、事故に対する過失度合や損害額に応じて、この2つの保険からそれぞれ支払われる仕組みになっています。



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